No.3270の日記

横浜みなとみらいホール 「デーモン閣下の邦楽維新Collaboration」に行ってきました。

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閣下と邦楽演奏、とだけでは言い表せられない舞台で、
様々な世界観が味わえて、猛烈に感動しました。

しかもホールいっぱいのお客さん。
聖飢魔IIの曲の時は場内大歓声でした。

 そして、閣下の朗読。
その中で、夜道を照らす月の描写があったんですが、
月を見た記憶が殆どない私も、本当に見ているかのようでした。

作者の脳内にある絵を、読み手を通じて、聞き手の脳内に映し出す瞬間。
これは、上手に読むことや、抑揚をつけることもそうですが、
「聞き手側に立った読み方」だからこそだと思いました。

先日も書きましたが、閣下は見えない私へ、
目の前に何があって、誰が居て、何をしていて、
と、ごく自然に適格な状況説明をして下さるんですが、
これも、「相手側に立った解説」だからこそで、
この朗読にも共通するものを感じました。
朗読を超えた、お芝居の役者のようでした。

それを奏者や画家の方々で景色を作り、抒情的、厳粛、幻想的に膨らませて、
ユーモアや笑いも織り込んだ空間を演出されました。

 ご出演は、尺八の三橋貴風先生、箏の外山香さん、
笙の豊明日美さん、打楽器の和田啓さん、境界剪画の杵淵三朗さんでした。

尺八で、月、夜空、風の音を出し、
箏で、喜怒哀楽から綺麗な女性の姿まで表現し、
笙で、千年以上前にタイムスリップするかのような空間を作り、
打楽器などで、光の音、怖い音、包み込む音などを出して、
これらが絶妙に調和されて、一つの作品が構成されていました。

個人的には、三橋先生のお声は閣下のラジオで、
又、尺八も曲の中で聴いていたので楽しみにしていました。
そして、昨日3月10日がお誕生日との事でサプライズのケーキが舞台へ。

本編が終わっても、トークショーが続き、これがまためちゃめちゃ面白かった。
朗読中のハプニングや裏話、準備にかけた出演者の思いなど、
全3時間45分、全く飽きさせない構成と空間でした。

 そういえば、閣下の前説があって。 各注意事項の中に、
「いくら興に乗ったからといって、がんばっぺ福島のように自分の席を離れる事はご法度である。」
というくだりがあり、美瑞穂と私は思わず大笑いでした!
先日のがんばっぺはシークレットゲストだったので、
お客さんは、「なんだろう?」だったかもですが(笑)。

BGMは「GEISHA FUJIYAMA SAMURAI」、石黒さんとの合作ですね。

 ところで、シリーズは違えど、2004年7月、下関市民会館で行われた
「怪談狂言 耳なし芳一」には行った事がありました。
閣下は安徳天皇役で、全体を通じて物凄く面白かったのを憶えています。
昔、ここのブログでも書いた事がありますが、記事、残ってなかった(笑)。

 邦楽維新Collaboration、今年で20年目になるそうですが、
今まで足を運ぶ機会が無かった事に後悔すると共に、
舞台を通じて沸き上がる感情、そこから感じる各々の考え。
こんな素晴らしい機会が体感出来た事にワーストでアンハッピー。
また行きたいです。

そして、今日は、先日の「がんばっぺ福島!」でご一緒した、
被災地への思いを歌にした「SOLA」に続き、
昨日聴いた歌を思い出し、改めて「311」に思いを馳せています。

 最後に、私は、あの朗読で、聴きたい、観たい景色があると思いました。
朝日、夕日、影の見え方、海、山など。
閣下が脚本して、曲に合わせて朗読、演技、歌唱していただけると良いなー、と。