個別表示

客員教授としての特別講義を行いました。

先日19日、山口県立大学(県大)の社会福祉学部で
客員教授の特別講義としてお招き頂きました。

KRYニュースライブの冒頭でキャスターの紹介のバックで私が映っている写真。

このご時世なので東京からのリモート講義でしたが、
大学生を対象に、教授の方々も含めて
130名以上受講して下さったそうです。
教室からが数名と、あとは殆ど皆さんご自宅からのリモート参加でした。

題目は、
「真のノーマライゼーションの探求 『聴こえる景色、見える音』を感じながら」。

以前、日本臨床眼科学会の講演にお招き頂いた際に
『聴こえる景色。見える音。』と私がつけた題目で、
今回もこの表題にしました。

ノーマライゼーションとは、「障害者が健常者と同等の生活が出来るようにする事で、
共に活き活きと活動できる社会を目指す」という理念。

日本では近年よく聞かれるようになった言葉だと思いますが、
海外では70年前からこの考えが進んできているそうです。

余談ですが、「ノーマライズ」は、音楽の世界でも「標準」とか「正規化」
という意味でよく使われます。
小さく録音されてしまっている音量を聴こえやすい標準に上げる、とか。

話を元に戻しますが、今回の講義は社会福祉学部ですので、
主に「ノーマライゼーション」について話をして欲しいとの事でした。

まずは、私が音楽を身に着けて職業にしていった時や、
見えない生活、全盲の人との接し方、PCやスマートフォンのアクセシビリティ
など、写真や動画を美瑞穂に紹介してもらいながらお話させて頂きました。

街中で全盲の人と会ったらどうするのが良いかなども、具体的に、
面白い話も交えながら。
我が家で美瑞穂が「あの四角い赤いの取ってー」と指を差すことがあるという話の時の写真。

音楽もいくつか紹介しました。
KRY山口放送のニュースライブのテーマ曲や、お天気の曲など。
実際は使われることのない事件事故のメタル曲では笑いが起きていたそうです。

又、昨年、県大とは別の縁がありました。
県大と山大が商店街の協力で立ち上げた地域活性化のお祭り
「結人祭(きゅっとさい)」のテーマソングの制作。

当ブログでも何度か紹介したことがあります。
この時に参加されていた学生の皆さんも今回受講してくれていたので、
私としても近しい感じがして嬉しかったです。
関連ブログ

[新曲!山口県の大学生たちによる地域祭り「結人祭(きゅっとさい)」の曲を作りました。]

[続、テーマソング「結人祭(きゅっとさい)」 山口]

[山口の「結人祭(きゅっとさい)」にリモート出演しました。]

リモートレコーディングの写真。

又、先生方より、美瑞穂からも話をして欲しいとのリクエストもあり、
本人は表に出ることを控えているので躊躇しているのを説得して(笑)、
誘導や食事の時の事などを話してもらいました。
私としては、サポートする側の状況や気持ちを皆さんに知ってもらうには良い機会かなと。

お昼90分に渡る講義でしたが、最後の質疑応答では、皆さんからの
ハキハキした明るい言葉が沢山飛び交って時間が足りなくなるほどでした。
こちらがフレッシュな気持ちになれました。
質疑応答にて、左に学生、右の大画面に私が笑ってるらしい写真。
感想を聞くと皆さんに伝わってほっとしましたショット。

理事長、学長、学部長まで私の話をお聞き頂き、身が引き締まる思いでしたが、
閉会時のご挨拶から喜んで下さった様子が伝わってきてほっとしました。
大学として私を選んで下さった事に感謝と光栄な思いです。

今回のきっかけ、数年前の山口のライブにお客様としてお越しいただいて以来
この機会をずっと考えて下さっていた藤田教授と、
当日の進行も含めて準備して下さった廣田准教授、
急遽の呼びかけにも関わらず取材に駆け付けて下さった
KRY山口放送、山口新聞、
ありがとうございました。
チャイムが鳴る中での最後の集合写真
山口新聞記事

 ここからは、学生の方々から当日いただいた感想の一部を紹介させていただきます。

          −−−−−−−−−−

 ◆聞いてて心地の良い話し方でした!
何より話が面白い!内容は福祉ですけど、そういう真面目さの中に漂ってる
エンタメ感!みたいなのが聞いててワクワクしました!

 ◆視覚障害の方って、遠い存在かなと思ってたんですが
身近にと言ったら変かもですけど、今日はそういう風に感じる事が出来て、
教育に関心があるので、そこに生かしていきたいと思いました。

 ◆普段なかなか全盲の方とお話する機会がないので、
とても良い機会になりました。
中でも、奥様のお話を聞かせて頂いて、全盲の方と関わる際に
どういうところに気を付けたら良いかを知る事が出来て、とても良い時間になりました。

 ◆今、将来に悩んでて、自分の夢について考えられる機会になりました。
夢を諦めないように頑張ろうと思います!

 ◆さっきのお話で、道で全盲の方から「駅はどちらですか?」と訊かれた時、
「あっちです」と指を差されることがあるという話をされてましたが、
私も多分、「あっちですよ」って言っちゃうと思います。
もし訊かれたら、視覚障碍の方だということを意識して、
「右に曲がって下さい」とか、一緒に行くとか、考えなきゃいけないなーって思いました。

          −−−−−−−−−−

まだまだ質問など色々ありましたが
私にとっても良い機会を頂きましたし、
皆さんと一緒に考えられる時間になりました。

 以前も書きましたが、昔の私は、障害者や全盲をテーマとした
講演、番組、イベントを拒否していましたが、
この10年ちょっと、考えも変わり、自分から伝えられる事があるとして、
もしそれが誰かの役に立つのであれば喜んで尽力しよう、と。

見えない事で、周囲の方々や制度のサポートを頂きながら生きている訳で、
今度は自分がお返しする番じゃないかな、と。

そうできているかはまだまだではありますが、今後もこういう機会があれば
積極的に伺いたいと思っています。

いまだに「障害を乗り越えて」「ハンディを背負う「見えないにも関わらず」
ような言葉は私個人としてはあまり歓迎しないんですが(笑)、
そんな表現をしなくても良い世の中になって欲しいと思います。
大事なのは、「人と人」ですねー。