No.1627の日記

レコーディング機材歴

今日は私のレコーディング機材の話。

長年TASCAMのMTRとデジタルミキサーでレコーディングをしてきたんですが、部屋の環境と機材の操作性で前々から移行しようと考えていました。
ここ最近、出来るだけ環境をコンパクトに整えられないかと、暑い中、重い機材達を移動させたり、結線をやり直したりしてました。
そんな作業をしていた時に思い出したり時代の変化を感じる事があったので、以下長文ですが書いてみることに。
過去、何度か書いてきたことと重複する部分もありますけど。

 まず、突然子供の頃までさかのぼって(笑)、録音エピソードを書いてみると・・・
幼少時期、2台のラジカセをダビングしながら、ピアノ、ギター、歌やハモリ、箱で作ったドラムなどの音を重ねて録音していた所から始まりました。

 二十歳には、カセットテープをメディアとしたTASCAMの4チャンネルMTRを購入。
4つも楽器が重ねられる事に感激したのを覚えています。
そこで、4チャンネル以上にするにはピンポン録音(Wikipediaの記事)というのをする必要があるのですが、16チャンネルぐらいにするとテープでは音の劣化がどうしても出てきました。
それでも30人コーラスとかにして曲作りをしてました。今では絶対やらない作業(笑)。

その劣化を出来るだけ回避する事を考えて買ったのがDATでした(Wikipediaの記事)。
つまり、カセットテープMTRで録って4チャンネルでまとめた音を、一旦DATにダビングして、それをカセットMTRの2チャンネルへ戻し、残った2チャンネルに楽器を重ねるといった作業。

そんな感じで曲作りをして、22歳の頃、成毛滋さんのご自宅へデモテープを持って行ったら、音質を凄く評価していただけて嬉しかったのを覚えています。
このDATとMTRで録った話をすると、高井寿さんも同じ方法でレコーディングされていると話されていました。

そういえば、途中、オープンリールを持つ友人から借りて録音したこともありました。
一つのテープが2万円弱もしてましたね(笑)。

 その後(24歳)、行きつけの楽器店で、「ハチミリテープで8チャンネル録れるのがあるよ」と教えてもらいました。
(Wikipediaの記事。)
でも、このうち、タスカム(Tascam)の「DA-88」というのが、当時60〜70万円ぐらいしていたので、かなり迷いましたが、それまで営業ライブでコツコツ貯めていたギャランティでやっと買いました。
お店ではかなり負けてもらいましたが、8チャンネルにこれだけも費用をかけるなんて今では考えられないことです。

しかも、ミキサーを買わなければ、これだけでは音が出ない。
お金が貯まるまで、アナログ8チャンネルの安いミキサーを使う事に。

やっと買ったのが、YAMAHAの「ProMix」というもので、私にとっての初のデジタルミキサー。
店員は、私が画面表示重視のデジタルミキサーをどうやって使うのかを心配してくれていたんですが、解りやすい解説のおかげで使いこなすことに成功。

 20代後半、スタジオを持つ友人から、MTRの「DA-38」を3台も譲ってもらったので、一気に32チャンネルに拡大。
ミキサーのほうは、ProMixは使いすぎで故障してきたので、TASCAMの「TMD-1000」、数年後には「DM-24」を導入。

 MTRもミキサーもTASCAMになったので、これらを信号でリンクさせるべく、
ティアックの広島支社の方が下関までわざわざ来て下さったり、
スタジオを持つ友人にセッティングしてもらいました。
このTASCAMセッティングの時代がいちばん長く、たくさん曲を出したと思います。
クリック 20KB

予断だけど、その友人が一緒に譲ってくれたのがこれ。
クリック 69KB クリック 68KB
32チャンネルパッチベイでハチミリMTRへの入力が出来るようにしてくれました。
プリアンプとコンプレッサーも一緒に譲ってくれました。
このボックスはその友人作。木、アルミ、ビスなどをホームセンターで買って作ったとか。

 その頃は2000年頃、
周囲は既に録音をコンピューターへ移行していました。
私もそうしようとコンピューターを買って、レコーディングソフトをいくつか試したんですが、殆どがマウス操作のグラフィカル編集。
今では体験版のソフトは多いですが、以前はそんなに無かったかも。
買っては使えず人に譲ったりして随分お金も使ってしまったので、よほどの物が出ない限り、もう録音はPCベースにはしないかと。

 なので、数年前、恐る恐る、KORGの「D3200」を導入して32チャンネル録音に。
これが、遅ればせながら、私にとって初のHDR(Wikipediaの記事)になりました。
MTRやミキサーが一体なので、操作も引越しも楽だろうと思って買いました。
しかし、店頭では分からない、買って気付いたこと。
この「D3200」は、PCのマウスのような操作になっていました。
デジタルミキサー、リズムマシーン、エフェクター、キーボード、オーディオコンポなど、今まで使っていた私の機材は、例えば、十字キーの右を何回押すとこの画面が表示される、という規則性があったので、それを覚えて操作していたんですが、D3200にはそういった規則性が無いので使いづらいです。
東京へ越した時、タカシ君に来てもらって説明をお願いしたんですが、二人とも苦労した覚えがあります。
値段を考えるとサウンドが良いだけに残念。

去年、XYZ-Aの結成10周年ライブで「Wings」を演奏するのに必要ということでファンキーさんにお貸しした事がありました。
「使いづらいんならワシが買い取ろうか?」
と言ってくれたのでそうしたかったんですが、録音できるHDRが無くなってしまうのと、何とかして必要な箇所だけでも使いこなしたいという負けず嫌い根性があったので売るのを断念。
今でもこれを使っています。覚えるまで表示をMizuhoに見てもらって、タカシ君や仮谷さんに解説してもらった事を元に操作しているので、今では大分慣れてきましたが、もっとサクサク行けるMTRはないのかな〜と。

一応、「ZOOM R24」「TASCAM 2488neo」辺りは注目していますけど・・・。
ZOOMのほうは、シャラさんも使用しているし、あとは私でも使えるのであれば。
で、今は本格的にレコーディングする時は、データだけ持ってスタジオへ行って仮谷さんにプロトゥールスでお願いするので、しばらく自宅でのオールインワンは検討中。

 あと、オプションで、BOSSの「BR-600」も数年前に買ったことがあり、これは比較的操作しやすくて、今でも、簡単な曲ならこれを使っています。
内蔵ステレオマイクの音が綺麗で、アコギやライブ録音にも重宝しています。
しかし、後継機となる「BR-800」は、「タッチ・センサーによるフラットなパネル・デザインを採用」と書いてあるので、これじゃ残念ながら私には使えないですね。さようならBR(苦笑)。

 そんなこんなの紆余曲折で、未だに24歳の頃に頑張って買ったDA-88が手放せられないです。
でも、ハチミリテープというメディア上、生涯これで曲作りが出来るわけではない。
切り取り/貼り付け、UNDO/REDOはもちろん出来ないし。
更に、このTASCAMセットでは引越しが大変。
実際、2年前に東京へ来る時はこの移転作業に苦労しました。
運べたとしても友人がしてくれたセッティングと同じになるのかなと。
移転時、父に頼んで、大量の接続ケーブルと本体に番号を書いてもらって、新居でMizuhoに見てもらいながら接続しました。
でも、MTRとミキサーが同期してくれなくて、去年の夏に仮谷さんに見てもらったことがありました
そのおかげで、過去の曲データが起こせて、無事に「Fly Away」のCDを発売する事が出来ました。

でも、先日、10年近く使ってきたTASCAMの「DM-24」は大きく重いので外してしまいました。

 と、ここまで長文になってしまいましたが、振り返ってみたら、ギター関連よりも録音機材にお金と時間を費やしてきたような気がします。(笑)
現代の録音機材って、本当に安価でコンパクトで便利になったな〜と思います。

MTRを持っていない頃なんて、2台のカセットテープを近づけてダビングしながら録音をしていたんですが、音を重ねる度に元の音から回転ピッチや音質が変わったりの苦労はあったものの、今思い出すとそれも結構楽しかったです。
あとから聞くと、この方法で録音をしていた人が結構居て、そういう人達の話を聞くと嬉しくなってしまいます。
身近では古川さんとか。
他にも、山下達郎さんなど、時時こういったエピソードが出てくるのを耳にします。
そういう苦労って、デジタルやコンピューターが無かった中、そこにある限りの物で、いかに良い音を出すかの研究が自然に身に付いていくことも楽しかったりするんですよね。

今では安価で便利な録音機材やソフトがいっぱい出て選びやすくなって、昔のような苦労は無くなってますが、反面、私みたいに画面が見えないものにとっては使いにくい物が増えたのも現実です。
でも、それらを自分なりに工夫することができているのも、いつの時代も身近でヘルプしてくれる人達が居るからこそ。

結局、今では、うちにある機材をつなぎ合わせて工夫して音や曲作りをしていますが、居心地の良い環境の機材探しの旅はまだまだ続きそうです。

かといって、今作っている曲達には影響がないようにしていますので。
と、何気に業務連絡で閉めてみました。(笑)