ギタリスト田川ヒロアキのブログ。ロックギター人生爆走中!
先日のロンリーBirthday配信で初登場した小さな琴。
本番2日前に到着!
小さいのに、すっごく奥深い素敵な音色。
その時に皆さんからのコメントも寄せられました。
実は、私が8歳の頃、
ギターを始める前、学校で琴を習っていました。
その時の経験あってか、今でも和の音使いへの意識があります。
ステージでも、琴をその都度お借りして何度かギターと一緒に弾いたことがあります。
そういうこともあり、ギター感覚のミニ琴が、長年ずっと欲しかったんです。
前々から調べていたんですが、思ったより大きかったり、
ちょっとイメージと違ったり、高価で買えなかったり。
そして、やっと辿り着いたのが、
山口県宇部市、「たましげ琴製作所」。
なんと、創業が明治27年、1894年。
代々受け継いでこられて、今は4代目と5代目だそうです。
ここで買いたいと思った一番の決め手は、郷里の山口だったこと。
そして、長い歴史と、制作過程に感銘を受けました。
公式サイトにTV放映の様子も掲載されています。
美瑞穂に写真を見て説明してもらうと、そこで一気にイメージが出来、
早速電話をして、いろいろと教えていただくうちに、ここでの購入を決定。
届く時間が待ち遠しくて、その日は仕事が手につかずソワソワ。
届けてくれた宅配のお兄さんに「待ってましたっ!」と言いたい興奮を抑え、
初めて箱を手にすると、軽くて小さい印象。
部屋でゆっくりと開けてみると、美瑞穂が芸術品を見るように、
「うわ〜・・・!綺麗!素敵な琴だねー!
こげ茶色の深みのある色合いで、両端の布が花柄になってる。」と
手触りも、木目から深みを感じ、小さくてかわいい。
これが80cmサイズの「琴音(ことね)ちゃん」。
早速、琴柱を1本1本の糸に立てて調弦。
子供の頃を思い出す感覚。
全体の調弦が整い、ポローンと13弦をストローク。
わ〜〜〜!美しい〜〜〜。
琴は小さいのに、本体から響き渡って広がる音色に感動しました。
短いのに、こんなに音が伸びるように設計する技術は凄い!
小箱を開けると向こうの景色、何百年前の日本を覗けたようです。
そして、絶対初めて弾くのはこの曲にしようと決めていました。
2012年リリース「アヴェ・マリア」のラストチューン「日本の四季」
当時、琴の調弦を考え、それぞれの四季を描いて一生懸命作った曲。
明かしますが、この時は都合で琴が調達出来なかったので、
様々な音源から音色を作ってレコーディングしました。
同年の下関ドリームシップ大ホールでは、琴をレンタルしてこの曲を弾きました。
この公演に合わせ、母校の倶楽部の顧問の先生(男性)が手配して下さいました。
琴のお上手な弱視の先生でした。
お借りして、リハーサルでは良い感じだったんですが、
本番中、イントロで琴柱を倒してしまうハプニングがあり、
曲は進んでいるのに、ベースの仮谷さんが走って拾ってくれたことがありました。
その速さたるや忍者のごとく。
今でも時々笑い話になります。
そんなことを思い出しながら、琴音ちゃんで弾く日本の四季。
まだ上手には弾けないけど、すっごく美しくて深みのある音色。
美瑞穂が、「和の音って、いいねー。落ち着くねー。」と。
本当にそう思います。
素敵な楽器を手にして、また新たな制作意欲が湧きます。
ギターの原点に帰って、こうして弦を触っていると、
なんともいえない気持ちになります。
たましげさん、ありがとうございました。
琴の思い出話。
・小2、
土曜の放課後に、邦楽同好会への勧めがあり、
尺八と琴の選択肢がありました。
私はこの時、まだ弾いていなかったギターにも興味があったので、
弦に触れられるのであればと琴を選びました。
3歳の頃に、空き箱に輪ゴムを数本はめて、和音を作って弾いていたので、
弦に対しての特別な気持ちがあったんでしょうねー。
ピアノのレッスンへは、5〜14歳まで通っていました。
初めて琴の教室に入った時の記憶はないですが、
次週、あまりにも楽しみで、誰より先に教室へ行き、
先生と生徒数名分の琴を運び、並べて、
調弦をして待っていたことは憶えています。
すると、先生と先輩の生徒たちが来て、凄く驚かれて、
先生に大層褒められたことが嬉しかったです。
今思えば、8歳の小さな身体で、当時は光しか見えていなかったのに、
あんな大きな琴を6張も運んで、よく壊さなかったなーと
思い出すとヒヤヒヤします。
でも、それだけ楽しみだったんでしょうねー。
今もそういうところは変わってないですが。
以来、先生にはかわいがってもらえたんですが、
お作法が厳しく、叱られる生徒たちも多く、
私も段々息苦しくなっていました。
「琴を叩いて、叱って、作法に厳しいのに、楽器を叩いてええんかな?」
と心でつぶやく田川少年。(笑)
・3年生から自宅でギターを弾くようになりました。
・4〜6年生、中国地方5県の盲学校の交流の一環として、
琴の演奏で鳥取と岡山へ行きました。
その時に、先輩のロックバンドがKISSやJOURNEYを演奏していたところにすっかり心を奪われました。
その話はまた別記事で。
次第に、自宅でギターを弾く時間も長くなり、
その時のピックで琴を弾いていると先生から大目玉。
・中1、
「先生、ギターを弾き始めてロックバンドをやりたいので辞めます。」
「好きにしなさい。」
当時70代の女性先生との最後の会話。今でも心残り。
でも、おかげでギターの奏法への影響にもなったり、
作法や伝統のことも教わったので、時々思い出しては先生に感謝。
なんでも、経験は将来を作ってくれますねー。
琴と三味線が揃ったので、ますます「和」を取り入れた曲が作れそうです。
基本はロックやメタル系ですが。(笑)